
中古トラクターのタイヤの点検方法
中古トラクタータイヤ購入時に確認すべき4つのポイント
農業用車両のタイヤに関するさまざまなガイドは、以下からご確認いただけます。
1.中古トラクタータイヤの摩耗レベル
中古トラクタータイヤの購入時に最初に確認すべきことは、タイヤの摩耗レベルです。例えば、タイヤデプスゲージなどの道具を活用することで、タイヤ溝の深さを簡単に測定できます。20センチや30センチの定規を使って、簡易的に摩耗の程度を把握するのもよいでしょう。
必ずしも、ミリ単位の正確な数値で中古トラクタータイヤの摩耗レベルをチェックする必要はありません。中古トラクタータイヤ全体の摩耗レベルを見積もることが、トラクタータイヤが交換直前なのか、まだ何時間も使用できるのかの判断に役立ちます。

トラクターのタイヤの磨耗チェック
タイヤ摩耗の許容範囲はトラクターの使用目的によって異なる
中古トラクタータイヤにおいて最低限許容されるトレッド深さは、トラクターの使用目的によって異なります。一般的には、トレッド(溝)の残りが約20ミリメートル(2センチ)になるとタイヤはかなり摩耗しており、トラクションに問題が生じるリスクがあると考えられます。
中古トラクタータイヤの溝深さが20ミリメートル程度の場合、摩耗率は約50%程度と見積もることが可能です。この程度のタイヤ摩耗であっても、例えば干し草の運搬など軽作業用のトラクターであれば、数年ほど使用可能かもしれません。
一方、高レベルのトラクションを必要とする過酷な作業にトラクターを使用する場合は、タイヤ交換を検討したほうがよいでしょう。溝深さが20ミリメートル程度まで摩耗したトラクタータイヤを過酷な作業に用いると、車輪の過度なスリップが発生し、トラクターの性能を損なう可能性が高まるためです。
2.中古トラクタータイヤの経年劣化の兆候
2つめの確認ポイントは、中古トラクタータイヤの経年劣化の兆候です。中古トラクタータイヤに「ひび割れや目に見えるサイドウォールの損傷がないかどうか」をチェックしましょう。
いつ製造されたトラクタータイヤなのか、製造年月日を確認しておくことも大切です。市場で入手できなくなっているモデルの場合や、タイヤにひび割れやその他の経年劣化の兆候がある場合、製造年月日を知ることで、年数経過と比較して相応な損傷レベルがどうかを判断しやすくなります。

トラクターのタイヤにひび割れがないか点検する
具体例:
- 数十年前に製造されたタイヤにひび割れがある場合、経過年数を考えると正常と見なすことが可能です。
- タイヤが比較的新しいにも関わらず、すでに経年劣化の兆候が顕著に見られる場合、好ましくない条件下に置かれたり、不適切に保管されたりしたことを示している可能性があります。
3.中古トラクタータイヤの売り主に尋ねるべき質問
中古トラクタータイヤをセルフチェックするだけでなく、売り主に以下のような質問をしてみましょう。さらなる情報を得ることで、中古トラクタータイヤの摩耗状態の評価に役立ちます。
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トラクタータイヤは何時間使用されていますか?
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タイヤは元々装着されていたものですか、それとも交換済みですか?
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このトラクターは高トルク作業に使用されていましたか?(例:耕起や集中的な牽引作業など)
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トラクターは主に道路で使用されていましたか、それとも水田や畑で使用されていましたか?
例えば、主に道路で使用されていたトラクタータイヤの摩耗が不均一である(偏摩耗が見られる)場合、アライメントの問題を抱えている可能性があります。

中古トラクターのタイヤについて売り手に聞く
また以下の質問は、トラクタータイヤが正しく使用されているかどうかの判断に役立ちます。
- タイヤ空気圧のチェックはどのくらいの頻度で行っていますか?
- 使用する作業機に合わせて空気圧を調整していますか?
所有者が定期的にタイヤ空気圧をチェックし、使用する作業機に合わせて空気圧を調整している場合、タイヤが適切にメンテナンスされている可能性が高いでしょう。
一方、所有者がタイヤ空気圧を無視し、常に空気圧不足の状態で運転していた場合は注意が必要です。例えば、周方向のひび割れの原因となったり、目に見えるひび割れがない場合でも、トラクタータイヤのメンテナンスが不十分で早期の交換が必要になったりする可能性があります。
4.中古トラクタータイヤの疑問はディーラーへ相談を
中古トラクタータイヤに関する疑問は、ディーラーに相談しましょう。電話はもちろん、トラクタータイヤのサイドウォールに切り傷がある場合などは、画像を送ってアドバイスを求めるのもよいでしょう。中古トラクタータイヤに関する十分な情報を得て、疑問を解消してから購入を決断することが大切です。