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Un pneu en phase de recreusage en usine
リグルーブタイヤとは?
スリップサインの出現前にタイヤ溝の再生で寿命を延ばそう
リグルーブタイヤとは、既存のゴム層から溝切りし、トレッドパターンの深さを復元したタイヤのことです。
摩耗して残り溝が1.6mmになったタイヤのトレッドには、スリップサインが出現します。タイヤが摩耗して溝が浅くなると、走行に危険が生じる可能性があるため注意が必要です。
ミシュランタイヤが取り扱うリグルーブタイヤであれば、摩耗したタイヤの安全性・寿命・経済性を、リグルーブによって向上させることが可能です。また、リグルーブが可能なすべてのミシュラン タイヤには、タイヤのサイドウォールに「REGROOVABLE」とマークが付いています。
タイヤに再び溝を刻む「リグルーブ」でタイヤの寿命を向上させよう
(1)リグルーブとは
(2)リグルーブのメリット
(3)リグルーブパターンについて
タイヤ溝が浅くなった状態での走行は危険
(1)制動距離が伸びる原因になる
(2)ハイドロプレーニング現象が起こりやすくなる
(3)ミシュランタイヤなら性能低下を抑えた状態で寿命まで走行可能
タイヤの残り溝を確認しよう
(1)車検合格に必要なタイヤ溝の深さ
(2)タイヤの寿命を示すスリップサインの見方
リグルーブの注意点
(1)タイヤの状態によってはリグルーブできない可能性がある
(2)リグルーブタイヤのストックが必要になる可能性がある
ミシュランのリグルーブタイヤでタイヤを長持ちさせよう
(1)リグルーブタイヤを活用しているお客様の声
(2)ロングライフ×リグルーブ×リトレッドでコストパフォーマンス向上
タイヤに再び溝を刻む「リグルーブ」でタイヤの寿命を向上させよう
溝が浅くなってしまったトラック・バス用タイヤは、「リグルーブ」によって再度の利用が可能です。スリップサインが出現する前の、残り溝が2.0~4.0mmになった状態でリグルーブを実施しましょう。
(1)リグルーブとは
リグルーブとは、タイヤの既存のゴム層から溝切りをして、トレッドパターンの深さを復元することです。リグルーブにより、新たに最大4.0mmの溝を復元できます。

リグルーブ作業を行う作業員手元のクローズアップ

リグルーブ実施前のタイヤ表面
リグルーブ前
残溝2~4mm

リグルーブ実施中のタイヤ表面
リグルーブを実施
リグルーブを実施しても必要なアンダートレッドを最低2mm確保

リグルーブ実施後のタイヤ表面
リグルーブ実施後
さらに最大4mmの新たな溝を得られる
海外では広く取り入れられている一方、日本ではミシュランタイヤが唯一、リグルーブを推奨しています。 リグルーブが可能なミシュランタイヤには、タイヤのサイドウォールに「REGROOVABLE」というマークが付いています。

「REGROOVABLE」マークのあるタイヤのクロースアップ
(2)リグルーブのメリット
リグルーブには、さまざまなメリットがあります。
1. ロングライフ: タイヤの寿命を最大25%延ばせる
リグルーブにより、タイヤ寿命を延ばすことが可能です。(※1)
リグルーブによりトレッドの溝深さを復元した場合、新品のミシュランタイヤの寿命と比較して、最大25%タイヤライフを延ばすことが期待できます。つまり、グルーブを4本行えば、新品1本の購入と同じ価値を実現します。
2. 省燃費: 最大5%の燃料消費量を削減可能
リグルーブによって、燃料消費量を最大5%削減することが可能です。(※2)
約70%摩耗したタイヤは、転がり抵抗が最も低くなることから、燃費性能が良くなります。リグルーブを実施すれば、タイヤの転がり抵抗がさらに低い状態で使用を継続できます。燃費性能に優れたタイヤの状態をより長く維持できるため、燃料コストの低減を期待できます。
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通常タイヤ:タイヤのトータルライフの残り「30%」において、燃費の低減に大きく貢献
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リグルーブタイヤ:タイヤのトータルライフの残り「40%」において、燃費の低減に大きく貢献
3. グリップ: グリップ性能が向上する
リグルーブによってトレッドの深さが復元されると、グリップ性能が向上し、走行時の安全性が高まります。特に雨天時の濡れた路面では、同じように摩耗したリグルーブしていないタイヤと比べて、リグルーブ済みのタイヤは横方向のウェットグリップ性能とウェットトラクション性能が約10%向上します。(※3)
4. 環境:環境保護に役立つ
通常、摩耗して溝が浅くなったタイヤは、その役目を終えてしまいます。しかし、残り溝が2.0~4.0mm程度まで摩耗した状態でリグルーブを実施すれば、タイヤライフを最大25%延ばすことが可能です。
タイヤの寿命を延ばすことで、新しいタイヤの生産や廃棄が減り、環境負荷を低減します。燃料消費が最小限に抑えられるため、最大251kgのCO₂排出削減も可能です。(※4)
ミシュランタイヤは、新品タイヤのゴム量を約5%増やすだけでリグルーブを実施できます。リグルーブできないタイヤと比較し、原材料を約16%低減することが可能です。
またリグルーブは、「グリーン購入法」の特定調達品目に指定されています。
※1:フランスタイヤ製造業者連盟(TNPF)が2019年に発表した推奨事項によると、摩耗したタイヤのゴムを最大限に活用することで寿命が延びるとされています。
※2:2021年5月5日、フランスのミシュランタイヤのテストコース(ラドゥー)で、DEKRA(認証機関)の監督のもとで行われた内部研究(レポート No. 21CPAEXT-030)によるものです。
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315/70 R 22.5 MICHELIN X® LINE™ ENERGY™ Z2 & D2タイヤを装着した2台のボルボ FH500トラックを使用
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各トラックには、40トンの積載貨物を牽引
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同一の空気圧設定(85b、7.5b、9.0b)でテスト
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気象条件、道路タイプ、タイヤサイズ、運転スタイルによって結果は変動する可能性あり
※3:2010年にミシュランタイヤがフランス・ラドゥーの研磨コンクリート路面で行った内部研究によると、溝切り加工を施したタイヤは、摩耗した同じタイヤと比較して横方向のグリップとトラクションが約10%向上します。
※4:ミシュラン・マルチライフモデルでは、溝切りによる燃費向上(最大5.4%)がCO₂削減に貢献します。
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実際の走行条件に基づく研究では、315/70 R 22.5のタイヤを装着し、国際・国内の長距離輸送で50%以上摩耗したトラックのデータを分析。
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データをもとに溝切りを行うことで、最大25%の走行距離延長が可能(232,200km × 25% = 58,050km)
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燃費データによると、新品タイヤの平均燃費は29.5L/100km、溝切り後のタイヤでは27.91L/100km。
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12輪のトラックで計算すると、1タイヤあたり0.13L/100kmの燃料削減(1.59L ÷ 12)。
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溝切りタイヤを使用することで77リットルの燃料節約が可能になり、77L × 3.24kg(ディーゼル1LあたりのCO₂排出量)= 251kgのCO₂削減につながる。
(3)リグルーブパターンについて
ミシュランタイヤでは、トレッドの特徴に合わせ、各タイヤシリーズに適したリグルーブパターンを提供しています。
リグルーブのパターンと詳細(ブレード、深さなど)は、各リグルーブ対応タイヤ製品ページの技術情報セクションをご確認ください。 また、以下のマニュアルからもご確認可能です。
こちらは、高速道路(長距離)向け「X® LINE™」シリーズのリグルーブパターンです。

ミシュランタイヤ「X® LINE™」シリーズのリグルーブパターン
こちらは、中距離から一般走行向け「X® MULTI™」シリーズのリグルーブパターンです。

ミシュランタイヤ「X® MULTI™」シリーズのリグルーブパターン
タイヤ溝が浅くなった状態での走行は危険
タイヤに施された溝は、使用するうちに摩耗し、溝の深さが浅くなっていきます。一般的には、新品タイヤに比べ摩耗したタイヤは、性能が低下するといわれています。
タイヤ溝が浅くなった状態での走行は、次のような危険をともなう可能性があるため注意しましょう。
(1)制動距離が伸びる原因になる
タイヤ溝が浅くなると、駆動力や制動力の不足を招きやすく、ウェット時の制動距離が伸びる原因になり得ます。
(2)ハイドロプレーニング現象が起こりやすくなる
タイヤ溝が浅くなると、路面の水膜をかき出す能力が落ちるため、ハイドロプレーニング現象が発生しやすくなる傾向があります。
ハイドロプレーニングとは、タイヤと路面の間に水の膜が入り込み、タイヤが浮いてしまう現象のことです。大雨時に車の速度を上げたり、道路上の水量が増えたりして、タイヤの排水能力が追いつかなくなると起こりやすくなります。
ハイドロプレーニング現象を避けるためには、タイヤの残り溝や空気圧の点検に加え、ウェットグリップ(濡れた路面で車を止める力)性能に優れたタイヤを選ぶこともポイントです。
(3)ミシュランタイヤなら性能低下を抑えた状態で寿命まで走行可能
ミシュランタイヤは、タイヤがすり減った状態でも性能低下が少なく、最後まで使える(Long Lasting Performance)ことが特徴です。先進テクノロジーを搭載したミシュランタイヤで、安全かつ快適な走行をお楽しみください。
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レジニオンテクノロジー:摩耗が進行すると新たな溝が出現し、摩耗末期まで安定したグリップ性能を発揮。

レジニオンテクノロジーを搭載したタイヤのクローズアップ
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レインドロップ サイプ:摩耗末期にブロック中央底部に新しい溝が出現。雨天時のグリップ性能を高い次元で確保し、安全性を維持。

レインドロップ サイプテクノロジーを搭載したタイヤのクローズアップ
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ダブルウェーブサイプ:隣り合うブロック同士が噛み合い支え合うことで、接地圧を最適化。変摩耗を抑制し、高いグリップ力と長寿命を確保。

ダブルウェーブサイプテクノロジーを搭載したタイヤのクローズアップ
関連ページ:ミシュランのトラック・バス用タイヤなどのカタログ
タイヤの残り溝を確認しよう
安全走行を維持するためにも、タイヤの残り溝は定期的に点検しましょう。
(1)車検合格に必要なタイヤ溝の深さ
車検合格に必要なタイヤ溝の深さは、以下のとおりです。

車検合格に必要なタイヤ溝の深さ
一部でも溝が1.6mm未満になっているタイヤは、整備不良として使用禁止となります。なお、高速道路を走行するトラック・バスなどは基準が異なるため、こちらの表を参考にしてください。
タイヤ溝が基準を下回った状態で走行すると、道路交通法違反となる可能性があるため注意が必要です。
(2)タイヤの寿命を示すスリップサインの見方
タイヤ寿命の確認方法のひとつに「スリップサイン」が挙げられます。
タイヤの残り溝が1.6mmになると、タイヤのトレッドにスリップサインが出現します。各種車両における一般道路の走行に必要なタイヤの残り溝の基準となるため、スリップサインが現れていないか定期的に点検しましょう。
トラック・バス用のミシュランタイヤには、スリップサインが現れる箇所にミシュランマンのロゴが付いています。

トラック・バス用タイヤのスリップサイン出現箇所のクローズアップ
リグルーブの注意点
リグルーブに関しての注意点も押さえておきましょう。
(1)タイヤの状態によってはリグルーブできない可能性がある
トレッド面に、穴・ひっかき傷・切り傷・剥離などの深刻な損傷の兆候が見られる場合、メタル製プライが錆びる危険性があります。これらの損傷はタイヤを急速に劣化させ、突然のバースト現象を引き起こす恐れがあることから、タイヤの状態によってはリグルーブに対応できない可能性があります。

リグルーブを推奨できない深刻な損傷が見られるタイヤのクローズアップ
(2)リグルーブタイヤのストックが必要になる可能性がある
リグルーブの作業中は、車両を使用できなくなります。必要に応じて、リグルーブタイヤをいくつかストックしておくことをおすすめします。
ミシュランのリグルーブタイヤでタイヤを長持ちさせよう
ミシュランリグルーブタイヤの導入例や魅力を紹介します。
(1)リグルーブタイヤを活用しているお客様の声
ミシュランタイヤのリグルーブタイヤを実際にご利用いただいているお客様の声を紹介します。

ダイワ運輸株式会社でミシュランリグルーブタイヤを使用しているイメージ
弊社は長距離輸送が主な業務です。お客様の要望に応えるべく、さまざまな仕様の車両の提供と、高品質輸送を手がけております。ミシュランタイヤはロングライフで、摩耗末期にリグルーブすることでさらに寿命を延ばすことができます。またリトレッドによりタイヤ1本を余すことなく使えるので、環境にも優しいミシュランタイヤを使用しております。

株式会社トランスウェブでミシュランリグルーブタイヤを使用しているイメージ
弊社は車両輸送とエアーカーゴ輸送をメインにトレーラーで行っております。トレーラー輸送が中心のためタイヤの摩耗は気になりますが、ミシュランタイヤは偏摩耗が少なく、駆動軸専用タイヤは寿命が長いので安心感をもって装着できます。摩耗したタイヤに再度溝を切るリグルーブを行うことで廃棄タイヤを減らせるため、環境負荷低減にも役立ちます。そのため、弊社では積極的にミシュランタイヤを装着しています。
(2)ロングライフ×リグルーブ×リトレッドでコストパフォーマンス向上

ミシュランのロングライフタイヤはリグルーブやリトレッドによって寿命向上・再利用可能
ミシュランタイヤは、ロングライフ・リグルーブ・リトレッドによるコストパフォーマンスの向上を追及しています。
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ロングライフ:ロングライフ性能を最大限活用
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リグルーブ:タイヤ寿命を向上
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リトレッド:ミシュランケーシングを再利用
摩耗によってタイヤ溝が浅くなった状態での走行は、危険をともなう可能性があります。「車検合格に必要な溝の深さを維持できているか」「タイヤの寿命を示すスリップサインが出現していないか」などを、定期的に点検しましょう。
タイヤの摩耗による性能低下にお悩みの場合、最後まで安全・快適に走行可能なミシュランタイヤの利用がおすすめです。
ミシュランのトラック・バス用タイヤは摩耗によって溝が浅くなってしまったあとも「リグルーブ」によって再度の利用が可能です。
なお、ミシュランのトラック・バス用タイヤを長持ちさせる方法には、リグルーブのほかに「リトレッドによる再利用」も挙げられます。
リグルーブの実施有無に関わらず、リトレッドを行うことが可能です。(※5)
コスト削減対策として、あわせてご検討ください。
※5:ミシュランの調査(2008~2009年)によると、ミシュランRemixリトレッドを行った100万本のタイヤにおいて、溝切り済みのタイヤと未加工のタイヤの承認率の差は0.2%未満でした。