
ミシュランタイヤのサステナビリティと環境問題への取り組み・貢献
ミシュランタイヤのサステナブル・環境問題・LCA
100%持続可能なタイヤへ
タイヤ環境問題やサステナビリティ問題を踏まえ、ミシュランタイヤは再生可能素材およびリサイクル材料の比率を2030年までに平均40%、2050年までに100%にすることを目指しています。
持続可能なモビリティの未来を実現するために、低燃費技術を採用したタイヤによるCO2排出量削減や燃料コストの軽減に加え、リサイクルや再生技術を積極的に導入し、資源の効率的利用を推進しています。
持続可能な未来に向けたミシュランタイヤの長期的なビジョンとともに、ミシュランタイヤの導入によって企業が得られる具体的な経済的メリットや環境への貢献についてご紹介します。
ミシュランタイヤは100%持続可能なタイヤ創造で環境問題・サステナブルに取り組む

ミシュランタイヤ4Rのイメージ図
「すべて持続可能なタイヤの創造」をコンセプトに、再生可能素材およびリサイクル材料の比率を「2030年までに平均40%」「2050年までに100%」という目標を掲げるミシュランタイヤ。以下の3つの軸を重視し、事業に取り組んでいます。
■ミシュランタイヤが設定する3つの軸
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資源の保護:循環型経済アプローチにより、2050年までにグループで使用する材料の100%を持続可能なものにする
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生物多様性の保全:製品・サービス・事業所における環境負荷の低減
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気候変動への対策:2050年までにグループ全体の生産拠点で、カーボンニュートラルを目指す
目標達成に向けた足がかりとして、2022年10月、ミシュランタイヤは世界で初めてサステナブル素材を58%使用したバス用タイヤを発表しました。

2022年10月、ミシュランタイヤは世界で初めて持続可能な原材料を58%使用したバス用タイヤを発表
■再生可能素材およびリサイクル材料
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天然ゴム
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もみ殻から作成した植物由来のシリカ
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使用済タイヤをリサイクルしたカーボンブラック
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リサイクルスチールを取り入れたスチール材
ミシュランタイヤは今後もタイヤ品質の向上とともに環境への配慮を続け、サステナビリティ経営、サステナブルに取り組む企業を全力でサポートいたします。
ここからは、ミシュランタイヤの具体的な取り組みをご紹介します。
CO₂削減と燃費効率の向上
ミシュランタイヤは、環境負荷の軽減を目的に、CO₂排出量削減と燃費効率向上を両立させるタイヤの開発に取り組んでいます。特にトラックや商業車両向けのタイヤでは、低転がり抵抗を実現することで燃料消費を大幅に削減。これにより、運送業者にとって燃料コスト削減の効果をもたらすだけでなく、CO₂排出量を減らし、地球温暖化防止にも貢献しています。
(1)トラックタイヤの製造~廃棄にLCA(ライフサイクルアセスメント)を導入

ミシュランタイヤの環境負荷ヒートマップを示す図
ミシュランタイヤはタイヤの製造から廃棄までの全プロセスにおいて、環境負荷の低減を目指したLCA(ライフサイクルアセスメント:Life Cycle Assessment)を導入しています。
トラックタイヤにおけるLCA(ライフサイクルアセスメント)とは、タイヤの製造から廃棄までの環境負荷を総合的に評価する手法のことです。タイヤの環境影響を定量的に評価し、持続可能な製品開発や環境負荷低減のための指標として活用されています。近年の日本では、一般社団法人 日本自動車タイヤ協会(JATMA)が、タイヤのライフサイクル全体で排出される温室効果ガス(GHG)をCO₂に換算して算定するためのガイドライン「タイヤのLCCO₂算定ガイドライン Ver.3.0.1」を2021年に策定しています。
タイヤの製造から廃棄までの全プロセスの中で一番環境負荷が一番大きいのは、「タイヤ使用時」です。そのため、低燃費タイヤやロングライフタイヤ、リグルーブ・リトレッドタイヤを使用することで、環境負荷の低減を期待できます。
ミシュランタイヤの製造段階では、再生可能エネルギーを活用して資源効率を最大化することで、CO2排出量の削減に貢献。LCA(ライフサイクルアセスメント)を通じて、タイヤの設計や素材選定においても、環境への影響を最小限に抑える努力を行っています。

環境負荷寄与率の円グラフ
(2)適切な製品選びと適切なメンテナンスで環境にもコストにもやさしい輸送を実現
輸送業は世界のCO2排出量の約20%を占めており、そのうちトラック輸送は約6%を占めています。

世界のCO2排出量のうち、輸送関連が20%を占めていることを表すグラフ
また、トラック輸送では1,000キロの移動で約1トンのCO2が排出されるというデータがあります。このように、輸送業界におけるCO2排出量削減の重要性は非常に高いといえます。

トラック輸送では1,000キロの移動で約1トンのCO2が排出されているデータを示す表
運送業者の総運用コストの中で最も大きな割合を占めるのが燃料費であり、その割合は42%にも上ります。この燃料費を削減することは、経済面での効果だけでなく、環境負荷の軽減にもつながります。

燃料コストが運送業者の総費用コストで最大の割合を占めていることを示すトラックの図
ミシュランタイヤでは、低燃費性能に優れた製品と、タイヤ管理をサポートするメンテナンスサービスを提供することで、高いパフォーマンスを実現します。これにより、タイヤの耐久性を最大限に引き出し、燃料消費を抑えることで、輸送業者が環境と経済の両面で利益を得ることが可能となります。

ミシュランタイヤの適切な製品選択とタイヤ管理による燃費効率やCO2削減効果を示す表
例えば優れた低燃費性能を発揮するミシュランタイヤに履き替え、リグルーブ・リトレッドといったタイヤ管理サービスを活用した場合、3%ずつの燃料・CO2削減につながります。
※ミシュランタイヤ調べ
ミシュランタイヤの製品とサービスを組み合わせることで、燃料効率を向上させると同時に、タイヤの寿命を延ばすことで資源の無駄を減らすことが可能です。この統合的なアプローチは、持続可能な輸送を目指す企業にとって理想的な選択肢となるでしょう。
リグルーブ・リトレッドで経済面と環境面に貢献
タイヤの寿命を大幅に延ばすことができるミシュランタイヤのリグルーブ(溝堀り)・リトレッド(再生)技術は、資源の消費と廃棄物の削減に貢献します。ミシュランタイヤはロングライフ設計、さらにミシュランタイヤの推奨するリグルーブ、リトレッドを実施することにより、タイヤのトータルコストを削減するとともに廃棄物の削減や省資源化、CO2排出量削減に尽力しています。
(1)リグルーブ
ミシュランのトラック・バス用タイヤは、リグルーブをすることにより様々なメリットを得ることができます。
安全性の向上
リグルーブにより再び深い溝が得られウェットグリップが改善します。
タイヤライフの向上
リグルーブにより最大25%タイヤライフを伸ばすことができます。
経済性の向上
リグルーブにより転がり抵抗の低い状態で使用できるため燃費を改善できます。

リグルーブ技術を使用して安全性や燃費を向上させるミシュランタイヤの特長
リグルーブ技術は、タイヤがまだ使用可能な状態で新たな溝を掘ることで、走行可能距離を延ばします。このプロセスは、タイヤの性能を維持しつつ、資源の消費と廃棄物の発生を抑えるため、持続可能なタイヤ使用の鍵となります。さらに、リグルーブを施すことで、タイヤの転がり抵抗が最適化され、燃費効率を維持できる点も大きな特徴です。

リグルーブ技術を採用したミシュランタイヤの特長の図
例えば、リグルーブを施したタイヤは、最大25%の走行距離延長を可能にし、運送業者にとっての燃料コスト削減や運用効率の向上にも寄与します。また、この技術を活用することで、タイヤの寿命を最大限に引き出すだけでなく、運送業者が持続可能な輸送を実現する一助となります。
リグルーブタイヤの詳細は、以下からご確認いただけます。
(2)リトレッド
リトレッドタイヤとは、使用済みのタイヤを再加工して新しいトレッド(表面)を付け加え、再び使用可能にした再生タイヤのことです。リトレッド技術によりタイヤ全体の寿命が大幅に延び、廃棄タイヤの削減にもつながります。一般社団法人 日本自動車タイヤ協会(JATMA)では、日本国内市場におけるトラック・バス用リトレッドタイヤ普及に伴う資源使用量の削減効果やCO2排出量の削減効果を公開しています。
リトレッドでありながら、新品タイヤ並みのロングライフ設計
ミシュランリトレッドタイヤには80年以上の歴史があります。その多くの経験から生み出される革新的な技術はミシュラン製品に惜しみなくそそがれており、高い安全性と優れた経済性を兼ねそなえたリトレッドタイヤとして世界中で広く認められています。厳しく管理される製造工程で厳選された原材料を最新の技術によって製品化することにより、新品並みのロングライフ性能を可能としています。
- 低温加硫製法によるミシュランのリトレッドタイヤです。
- あらかじめミシュラン独自のトレッドパターンを施したトレッドゴム(プレキュアトレッド)を使用しており、コンパウンドも新品と同等のものを使用しています。
- 様々な製造基準をクリアし、ライセンス承認を受けた工場で生産されています。

リトレッド技術によりロングライフ設計を実現するミシュランタイヤの再利用を示す画像

リトレッド技術を採用したミシュランタイヤの環境負荷軽減とコスト削減効果を示す図
特にミシュランタイヤのリトレッドプロセスは、品質と安全性を確保しながらも、新品タイヤの約50%のコストで利用できる点が魅力です。さらに、リトレッドされたタイヤは、製造時のエネルギー消費量を削減するだけでなく、環境への影響を最小限に抑えることができます。これにより、運送業者はコスト削減と環境負荷軽減の両方を実現できます。
タイヤのコスト削減と環境負荷軽減の両立を目指すTCOアプローチ
ミシュランタイヤは、トータルコストオブオーナーシップ(TCO)の視点から、顧客にとって最適なソリューションを提供しています。TCOとは、製品の購入価格だけでなく、使用中に発生する全てのコスト(燃料費、メンテナンス費、廃棄処理費など)を考慮した総コストを指します。
タイヤは、運送業界における運用コストの中で最も大きな影響を与える要素の一つであり、全体コストの多くの項目に影響があるため、適切なタイヤの選択は企業の経済性に直結する重要な要因です。
タイヤをコストパフォーマンスよく活用するためには、以下の観点でタイヤを選ぶことが推奨されます。
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ロングライフタイヤの選択
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リグルーブ可能なタイヤの選択
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適切な空気圧管理

生産性の向上を表すイラスト

燃料節約を表すイラスト
ロングライフタイヤの選択
長寿命のタイヤを選ぶことで、交換頻度が減り、タイヤ購入にかかるコストを抑えられます。また、燃料消費効率が向上することで、全体の運用コスト削減にもつながります。
【生産性への影響】

ミシュランタイヤのロングライフ性能と堅牢性が生産性向上と顧客満足度向上に寄与することを示す図

ミシュランタイヤのロングライフ性能と堅牢性が生産性向上と顧客満足度向上に寄与することを示す図
リグルーブ可能なタイヤの選択
リグルーブ(再溝掘り)が可能なタイヤは、摩耗限度まで使用し、転がり抵抗が最も低い状態を維持することができるため、タイヤ寿命を延ばし、燃料消費を抑えることが可能です。これにより、コスト削減と環境負荷軽減を両立させることができます。

ミシュランタイヤのリグルーブ技術で転がり抵抗を低減し、燃料効率を向上させる

ミシュランタイヤのリグルーブ技術で転がり抵抗を低減し、燃料効率を向上させることを示すグラフ
適切な空気圧管理
適切なタイヤ選びに加えて、空気圧の適切な管理も非常に重要です。空気圧が適切でない場合、タイヤ性能が低下し、燃料消費が増加するだけでなく、タイヤの寿命も短くなります。ミシュランタイヤでは、空気圧管理をサポートするツールも提供しており、これらを活用することで、タイヤの性能を最大限に引き出すことが可能です。詳細については、以下の関連ページをご参照ください。
関連ページ:適切な空気圧管理のツールはこちら

空気圧不足によって転がり抵抗と燃料消費が増加する

空気圧不足による転がり抵抗と燃料消費増加を示すグラフ
ミシュランタイヤは、環境保護と経済効率の両立を目指し、低燃費技術やリサイクル技術を駆使して持続可能なモビリティを推進しています。タイヤの長寿命化や燃料消費の削減を通じて、企業の運用コストを軽減しつつ、CO2排出量削減や資源効率向上にも貢献します。ミシュランタイヤを選ぶことは、経済的メリットだけでなく、環境問題への具体的なアクションとしても価値があります。持続可能な未来に向けたミシュランの取り組みにぜひご注目ください。
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