TRacteur équipé de pneus MICHELIN AXIOBIB2 dans un champ

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TRacteur équipé de pneus MICHELIN AXIOBIB2 dans un champ

農機用タイヤの装着・取り外し方法と注意点

農業機械の性能や安全性を保つには、農機用タイヤの正しい装着が欠かせません。誤った方法で作業を行った場合、事故や重大なけがにつながる恐れもあるため、正しい手順と安全対策を理解しておく必要があります。

本記事では、装着前の点検ポイントから、タイヤの取り付け・空気注入・作業後の確認手順や注意点まで、わかりやすく解説します。適切な事故を防ぎ、農機用タイヤの性能を長持ちさせましょう。

農機用タイヤの装着・取り外し方法

農機用タイヤの装着・取り外しは、以下の手順で行います。

  1. 農機用タイヤをリムから取り外す
  2. 装着前のチェックを行う
  3. 農機用タイヤを装着する
  4. 空気注入とビードの位置決めを行う
  5. 運用を開始する


順番に、詳しく見ていきましょう。

(1)農機用タイヤをリムから取り外す

農機用タイヤをリムから取り外す様子

農機用タイヤをリムから取り外す様子

disassemble a wheel

まずは、交換前の農機用タイヤをリムから取り外します。
作業の際は、以下の点に注意が必要です。

  • 空気が入ったままのタイヤをリムから絶対に取り外さないでください。
  • 作業前に必ずバルブコアを取り外し、タイヤ内の空気を完全に抜いてください。
  • サイドウォールやビードを傷つけるような工具の使用は避けてください。
  • リムに目立った損傷がある場合は、必ず空気を抜いてから部品を取り外してください。


タイヤに「取り外しノッチ」がある場合は、その部分からビードを外すと作業がスムーズになります。
特にパンク修理時は、ビードの損傷を防ぎ、取り外しを容易にするため、リムシートとビード部分に潤滑剤を塗布することをおすすめします。

(2)タイヤ装着前の準備・確認を行う

農機用タイヤ装着前の準備・確認を行う作業員

農機用タイヤ装着前の準備・確認を行う作業員

農機用タイヤの装着前に、以下の点を確認してください。

  • タイヤ・リム・インナーチューブが適合していること
  • タイヤが対象の車両や農業機械に適していること
  • リムシートの直径がタイヤに対応していること(例:18.4 R30のタイヤにはDW 16 x 30のリム)


⚠️シート径が15.3インチのリムには、15インチのタイヤを絶対に装着しないでください。同様に、16.1インチや15.5インチのリムにも、16インチのタイヤを絶対に装着しないでください。

農機用タイヤ装着手順の確認を行う作業員

農機用タイヤ装着手順の確認を行う作業員

■使用済みのタイヤを再装着する場合の注意点

使用済みの農機用タイヤを再装着する際は、以下の点に注意が必要です。

  • リムを清潔にし、損傷がない状態にしてください。
  • 汚れがひどい場合は、金属ブラシなどでしっかり清掃しましょう。
  • 裂け目・変形・ひび割れ・接着補修の跡があるリムには、絶対にタイヤを装着しないでください。

■使用済みタイヤの確認

使用済みの農機用タイヤは、内側・外側の両面を丁寧に点検し、損傷や劣化がないかを確認してください。
専門家が修復不可能と判断した損傷や劣化の兆候がある場合は、速やかにタイヤを廃棄してください。

■インナーチューブの使用について

必ず、タイヤサイズに合った新品のインナーチューブを使用してください(インナーチューブには、対応サイズが記載されています)。
チューブレスタイヤを交換する際は、必ず新しいチューブレスバルブを取り付けましょう。

⚠️ 損傷したリムや修理したリム、表面処理や加工状態などチューブと互換性のないリムに、インナーチューブを取り付けないでください。

工具を使って農機用タイヤの装着を行う作業員

工具を使って農機用タイヤの装着を行う作業員

潤滑剤を塗布する場所を示すイラスト

潤滑剤を塗布する場所を示すイラスト

■使用する工具と潤滑剤について

タイヤやリムに適した、刃先の鋭くない安全な工具(ビード外し、レバー、機械など)を使用してください。

ワイドタイヤや大型タイヤの場合、ビードプッシャーやビード外しツールなど適切なサポートツールを使用してセカンドビードを装着することをお勧めします。セカンドビードがリムのウェルの底にあることを確認し、タイヤの損傷を防ぎましょう。

タイヤを装着する前に、リムシートとビード部分に潤滑剤を薄く塗布してください。特にビードの外側には、リムのフランジから約5cmの高さまで塗布します。

使用する潤滑剤は、タイヤを劣化させない専用製品を選びましょう。たとえば、炭化水素系・シリコン系・不凍液系の潤滑剤の使用は避けてください。

(3)縦に配置したホイールに農機用タイヤを装着する

縦に位置したホイールにタイヤを装着する作業員

縦に位置したホイールにタイヤを装着する作業員

two men fitting a tire

縦に配置したホイールに、以下の手順で農機用タイヤを装着します。

  1. バルブまたはバルブホールを底部に配置します。
  2. タイヤのサイドウォールにバルブの位置を示すマークがある場合は、そのマークをリムのバルブホールまたはバルブにできるだけ近づけてください。
  3. タイヤのビードがリムのフランジに当たるように、タイヤをリムにはめ込みます。 タイヤに回転方向を示す矢印がある場合は、矢印の向きに回転させてください。
  4. タイヤレバーを使い、約10cm間隔でビードを少しずつリムの内側に押し込んでいきます。
  • 最初のビードをリムのフランジにしっかりと沿わせて装着します。
  • インナーチューブを使用する場合は、この段階で軽く空気を入れた状態のチューブをタイヤ内に挿入し、バルブをホイールの穴に通してナットで軽く固定します。
  • 続けて、2本目のビードもレバーを使って装着し、最後にバルブ位置付近で作業を仕上げます。

(4)空気注入とビードの位置決めを行う

以下の手順で、空気注入とビードの位置の調整を行います。

  1. ジャッキを少し下げて、タイヤのセンタリング(位置合わせ)を最適にします。
  2. バルブの内部機構(コア)を外し、ゆっくりと空気を充填していきます。
  3. ゆっくりと部分的に膨らませ、ビードの位置を最適にします。
  4. ビードが均等にリムに密着するように調整します。ビードがインナーチューブを挟んでいないことを確認してください。空気の充填は250kPa(2.5bar)までに抑え、ビードが適切に位置していることを確認します。


作業時は、以下の点に注意しましょう。

  • ビードがリムのフランジに均等かつ中央に収まるよう注意しながら空気を注入します。
  • 空気圧は最大でも250kPa(2.5bar)までにとどめてください。
  • ビードが正しく配置されていない場合、空気を抜き、潤滑剤を再塗布した上で250kPa(2.5bar)まで空気を入れます。ビードが正しく装着されるまで、繰り返し調整してください。
     
ビードの位置決めの際に超えてはならない最大空気圧は250kPa(2.5bar)

ビードの位置決めの際に超えてはならない最大空気圧は250kPa(2.5bar)

■使用すべき安全装備

安全のため、作業時は以下のツールを使用してください。

  • タイヤを支えるセーフティケージ(安全囲い)
  • 安全ゴーグル
  • 安全靴または安全長靴
  • イヤーマフ(聴覚保護具)


セーフティケージや安全バーがない場合、作業者は可能な限りタイヤやリムから離れて作業してください。

■安全上の注意点

空気注入とビードの位置決めの図

空気注入とビードの位置決めの図

⚠️ 重要
事故発生時の身体損傷の危険を避けるため、軌道コーン(図1、2、3)内には絶対に立たないでください。

安全に作業を行うには、以下の条件を満たした空気注入ガンを使用してください。

  • バルブにクリップで接続できること
  • 校正(キャリブレーション)済みの空気圧計が付いていること
  • 長さ3メートル以上の延長エアホースでバルブに接続できること


引き金のロック機能がある場合でも、絶対にロック状態での使用は避けてください。

■ビード装着完了後の処理

  1. 作業完了後は、バルブの内部機構(バルブコア)を再び装着し、ナットを手でしっかり締めてください。
  2. 車両メーカーのマニュアルに従い、所定の空気圧または保管空気圧まで空気を充填します。
  3. 最後にバルブキャップを取り付けることで、バルブを清潔かつ密閉状態に保てます。


ビードの下側の装着状態を確認できないため、ミシュランタイヤでは、タイヤを地面に水平に置いて装着する方法は推奨していません。

  • ただし、やむを得ず水平に設置する場合は、以下の点に注意してください。
  • 空気漏れを避けるため、初めのうちは最大空気圧70 kPa(0.7 bar)を超えないようにしてください。
  • タイヤとホイールを持ち上げ、セーフティケージに入れるか、丈夫な壁に立てかける必要があります。ただし、ドアや軽いパーティションなどには絶対に立てかけないでください。
  • 垂直装着(図1、図2、図3)の注入手順に従ってください。


なお、低圧で使用するラジアルタイヤは、必ず高品質なリムに装着してください。リムの精度が低いとビードが正しく密着せず、空気漏れや脱落の原因になります。

(5)運用を開始する

すべての作業が完了したら、運用可能です。農業機械を使用する前に、タイヤへの荷重と実際の使用状況に応じて空気圧を決定し、調整しましょう。

農耕機 ・農機具・耕運機などの農業機械を道路・鉄道・船舶などで輸送する場合は、収納システムによるタイヤの損傷を防ぐために、農機用タイヤの空気圧を180 kPa(1.8 bar)に調整することをおすすめします。実際に農業機械を使用する際は、適正な空気圧をあらためて設定・調整してください。

関連ページ:MICHELIN AgroPressure - ミシュラン アグロプレッシャー 農業用車両の空気圧計算ツール

農機用タイヤの装着・取り外しに関する注意点

農機用タイヤの装着と取り外し作業にはリスクが伴うため、訓練を受けた有資格の専門家が適切な道具と作業方法で行うことが推奨されます。実習中の方に単独で任せるようなことはしないでください。大容量タイヤの装着を複数の人で行う場合、作業中は常に1人以上が立ち会いましょう。

空気を注入する際は、調整済みの空気圧レギュレーター付きの圧縮空気供給装置を使用してください。

これらの注意点を守らずに作業を行った場合、農機用タイヤがリムに正しく装着されず、急激な空気漏れや収縮が発生し、重大なけがや死亡事故につながる恐れがあります。

農機用タイヤの装着・取り外しの解説動画 (英語)

以下の動画では、農機用タイヤの装着・取り外し方法について解説しています。

MICHELIN - TRAINING - Tire fitting and removing method (EN)

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