
how to manage tyre sidewall damage in the field
農業用タイヤのサイドウォール損傷への対処法
要約 :
タイヤサイドウォールダメージの種類
土壌成分によるタイヤの損傷レベルには違いがあります。深刻なダメージにつながるケースもあるため、注意が必要です。
1. 損傷が浅いケース
一般的に、軽い擦り傷程度であればすぐに修理が必要になるほど損傷が悪化しないケースが多いでしょう。不安な場合は、タイヤ専門店に問い合わせてみてください。

Superficial tyre sidewall damage on AG tyre
2. 損傷が激しいケース
表面的な軽い傷ではなく、深刻な損傷に気づいたら、迅速に対処する必要があります。時間の経過とともに、湿気・刺激性の化学物質・土壌・植物の酸などにさらされることにより、劣化が進むためです。
サイドウォールの損傷が激しい場合、タイヤ専門店によるチェックを受けることをおすすめします。
3. ゴムの一部が欠けているケース
農業用タイヤのゴムの一部が欠けている場合は、できるだけ早めにタイヤ専門店に持ち込み、タイヤ内側からの損傷具合をチェックしてもらうことが大切です。タイヤゴムを追加する修理によって、引き続き利用できることもあります。

Significant tyre sidewall damage on ag tyre
サイドウォールが損傷した農業用タイヤの修理
サイドウォールが損傷した農業用タイヤの修理が可能かどうかはケースによって異なるため、修理業者の判断を仰ぐ必要があります。
この動画では、タイヤ修理のプロが、修理可能なタイヤと修理不可能なタイヤのケースを検証し、修理手順の解説と実演を行っています。
農業用タイヤのサイドウォール修理中の車両稼働について
すべてのケースにおいて「タイヤの修理中は車両を稼働させられない」わけではありません。修理作業中、応急用のタイヤの提供を受けられるケースもあります。修理業者やタイヤの種類などによって対応が異なるため、確認が必要です。
土壌成分が農業用タイヤのサイドウォール損傷につながる理由
栽培植物は、強風などの気候条件に耐えられるように進化を続けています。植物そのものや茎がより丈夫に育つようになった一方、昔よりもタイヤゴムとの摩擦が大きくなっている傾向があります。
例えば、長くて硬い茎を持つトウモロコシは、摩擦によってタイヤサイドウォールの激しい摩耗を引き起こす可能性があります。また、ナタネや刈り株も、タイヤのトレッド部分を損傷させやすいといわれています。
関連ページ:コンバイン・ハーベスターに適した農業用タイヤは?
農業用タイヤのサイドウォール損傷を防ぐ方法
1. 耐久性の高いタイヤを選ぶ
農業用タイヤのサイドウォール損傷や潜在的なダメージを防ぐためには、より耐久性の高いタイヤを選ぶことが大切です。
日本ミシュランタイヤでは、予期せぬタイヤ修理や早期交換のリスクを減らすために、特別な設計を施した農業用タイヤをラインアップしています。
例えば、高出力トラクター用の低圧タイヤであるMICHELIN YIELDBIBには「Stubble Shield」のマークが付いており、刈り株によるタイヤダメージに対する耐性を備えています。
収穫機械用に設計されたMICHELIN MEGAXBIB 2タイヤにも「Stubble Shield」のマークが付いています。スチール補強トレッドと優れたパンク耐性を備えた補強カーカスにより、保護機能を強化させたハーベスタータイヤです。

MICHELIN MEGAXBIB 2 stubble shield protection
高被覆率のトレッドラグ(1)が、残渣や茎によるダメージから高い保護性能を発揮します。
2. 空気圧を適正値に調整する
適正なタイヤ空気圧を維持することが大切です。過剰に空気圧が高いタイヤは非常に張りつめた状態になるため、刈り株への耐性が低下します。荷重と速度に応じた適切なタイヤ空気圧に調整することで、タイヤ本来の性能を確保し、刈り株などによるタイヤのサイドウォールの損傷リスクを軽減できます。
3. 農業機械にタイヤの損傷予防ツールを取り付ける
農業車両が植物の上を通過する前に、植物を押し倒して平らにするためのツールを活用する方法もあります。例えば、コンバインのカッターバーとタイヤの間に付属ツールを取り付け、茎を押さえつけておくことでタイヤへのダメージを防ぐことが可能です。
タイヤダメージの予防については、「タイヤのダメージを避けるには?」の記事をご覧ください。
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