トラクタータイヤの空気圧は、生産性に大きな影響を与えます

トラクタータイヤの空気圧は、生産性に大きな影響を与えます

トラクタータイヤの適正空気圧とは?確認方法・時期も解説


あなたのビジネスでは、トラクタータイヤの空気圧を調整する必要となる特定のパラメーターがあります。このポイントを無視すると、燃費、タイヤの摩耗、性能、ひいては安全性と生産性に悪影響を及ぼす可能性があります。逆に、用途に応じた適切なトラクタータイヤの空気圧は、タイヤを最大限に活用し、効率を向上させ、土壌圧縮を軽減するのに役立ちます。

では、実際にトラクタータイヤの空気圧を効果的に管理するにはどうすればよいのでしょうか?詳細については、ぜひ読み進めてください。

農業用車両のタイヤに関するさまざまなガイドは、以下からご確認いただけます。

トラクタータイヤの適正空気圧とは?

乗用車の場合、一般的に2つのタイヤ空気圧(車両が空の場合と積載時)しかないため、「適正空気圧」の概念はそれほど複雑ではありません。

一方、農業用車両のタイヤ空気圧は、主に以下3つの要素を考慮する必要があります。

  • 積載量

  • 走行速度

  • 使用目的
     

ミシュランタイヤは、これら3つの要素を踏まえて適正なトラクタータイヤの空気圧を算出できる「MICHELIN AGROPRESSURE(ミシュラン アグロプレッシャー)」という計算ツールを提供しています。

農地と道路では走行速度が異なるだけでなく、使用機器によって積載量が異なるケースもあるため、シーンごとに推奨されるトラクタータイヤの空気圧が変わることは珍しくありません。

CTIS(セントラルタイヤインフレーションシステム)が搭載されていれば、運転席から空気圧を簡単に調整することが可能です。

一方、CTISを装備していない場合は、安全性を優先し、より高い方の空気圧設定を選ぶことが推奨されます。空気圧が高い場合は重大な問題に発展しにくい反面、道路走行中のトラクタータイヤの空気圧不足は危険をともなうためです。

たとえば、MICHELIN AGROPRESSURE(ミシュラン アグロプレッシャー)ツールで最適な空気圧が以下のように表示された場合、CTISを搭載していないケースでは140kPaを選ぶことが推奨されます。

  • 農地での適正空気圧:80kPa

  • 路上での適正空気圧:140kPa

 

関連ページ:トラクタータイヤの空気圧

CTISを使用したトラクタータイヤの空気圧管理

CTISを使用したトラクタータイヤの空気圧管理

トラクタータイヤを適正空気圧に保てば土壌の圧縮軽減につながる

前述のとおり、CTIS(セントラルタイヤインフレーションシステム)を搭載していない場合は、高い方の空気圧を選ぶことがポイントです。しかし、その結果として、トラクタータイヤの接地面積(フットプリント)が理想的な空気圧に比べて小さくなり、農地での作業に悪影響を及ぼす可能性があります。

トラクタータイヤの接地面積が小さい場合に生じやすいデメリットは、以下のとおりです。

  • 土壌の圧縮

  • スリップ率の上昇

  • わだちの発生

  • 作業効率の低下


一方、CTISを備えたトラクターであれば運転席からタイヤ空気圧を調整できるため、路上と農地のいずれにおいても最適な空気圧で作業することが可能です。

また、季節や気象条件により土壌の状態が硬くなったり柔らかくなったりするため、路面状態に応じて空気圧を柔軟に調整することも重要です。特に、過剰な空気圧で走行すると土壌内の空気が抜け、土壌が「窒息」するリスクがあります。

そのため農地では、低圧での作業が望ましいでしょう。トラクタータイヤの接地面が長くなることで、荷重が地面に広く分散され、車軸にかかる負荷もしっかり支えられます。

The right tractor tyre pressure reduces soil compaction

低圧による作業を行うことで、土壌圧縮のリスクが軽減され、結果として作物の収量増加にもつながります。世界各国の大学による複数の研究*では、ミシュランウルトラフレックステクノロジーを採用したタイヤは低空気圧での作業を可能にし、農業収量を平均で2~6%向上させる効果があることが証明されています。
 

関連ページ:土壌圧縮を抑えて収量アップする方法は?農業用タイヤによる解決策

トラクタータイヤの空気圧に影響を与えるその他の要因

積載量・走行速度・使用目的の他にも、トラクタータイヤの空気圧に影響を与える要因があります。

たとえば、トラクターをダブルタイヤにすると1つの車軸に接地する空気容量が2倍になるぶん、低い空気圧で作業できます。また、ホイールにウェイト(おもり)を追加したり、タイヤ内に水などの液体を入れてバラスト化することで、適切な重量配分が可能になります。

ただし、車軸に追加の負荷をかけずに重量を調整できるバラスト化とは異なり、ウェイトの追加は車軸に直接荷重がかかるため、高めの空気圧を適用する必要があります。
 

関連ページ:トラクタータイヤのバラスト調整で機動性をサポート

いつトラクタータイヤの空気圧を確認すべき?

トラクタータイヤの空気圧を確認すべきタイミングは、大きく分けて2つあります。

  1. 新しい農業機械を取り付けたとき

  2. 少なくとも月に1回

それぞれ詳しく見ていきましょう。

(1)新しい農業機械を取り付けたとき

トラクタータイヤの適正空気圧は積載量・走行速度・用途によって変わるため、新しい農業機械を装着するたびに空気圧の再確認が必要です。

そこで役立つのが、ミシュランのオンラインツール「MICHELIN AGROPRESSURE(ミシュラン アグロプレッシャー)」です。搭載する機器や作業条件に基づいて、適切なトラクタータイヤの空気圧を簡単に算出できます。

新しい機器を取り付けるたびに、トラクタータイヤの空気圧を確認する

新しい機器を取り付けるたびに、トラクタータイヤの空気圧を確認する

(2)少なくとも月に1回

使用機器が変わらない場合でも、時間の経過とともに自然にタイヤ空気圧は低下します。そのため、最低でも月に一度はトラクタータイヤの空気圧を点検し、現在の使用条件に適しているかを確認することが重要です。

トラクタータイヤ空気圧の確認は「冷えている状態」で行う

タイヤは走行中や直射日光を浴びた後などに熱をもち、内部の空気圧が変化します。そのため、トラクタータイヤの空気圧をチェックする際は、運転前や長時間走行していないタイミング、かつ日陰でタイヤが冷えている状態で行うのが理想的です。

トラクタータイヤの空気圧の確認方法

トラクタータイヤの空気圧を正確に確認するには、専用の圧力計を使用することが最も確実です。コンプレッサーに接続されていない独立タイプの圧力計を使うとよいでしょう。コンプレッサーに接続したままでは、正確な測定値が得られない可能性があるためです。

測定の前には、バルブから少し空気を抜き、内部にたまった湿気を除去してください。圧力計の誤作動を防げるほか、タイヤが水でバラスト化されている場合の保護にもつながります。空気を抜くには、釘やねじなど先のとがったものでバルブの中心ピンを軽く押してください。

また、圧力計は年に一度を目安に校正することが重要です。ご自身で校正できない場合は、農機販売店などの専門業者に依頼することをおすすめします。

理想的な空気圧を知るためのMICHELIN AGROPRESSUREツールをご覧ください

本ページの説明について

*2013年から2017年にかけて英国のハーパーアダムス大学が実施した研究では、MICHELIN ULTRAFLEXテクノロジーにより、農業収量が2~6%向上することが実証されています。これらの結果は、2015年に米国(イリノイ州)、2018年から2021年にかけてブラジル(マットグロッソ州)で実施された同様の研究によって確認されています。

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