土壌圧縮を軽減する方法

土壌圧縮を軽減する方法

sculpture pneu MICHELIN AXIOBIB2

土壌圧縮を抑えて収量アップする方法は?農業用タイヤによる解決策


土壌圧縮は、通気性や浸透性の低下、収量の減少など、農業にさまざまな悪影響を及ぼします。

しかし、適切な農業用タイヤを使用することで、これらの課題を大幅に軽減することが可能です。

本記事では、ミシュランタイヤの知見をもとに、農作物の収穫量を高めるために有効な農業用タイヤによる解決策を紹介します。

農業用車両のタイヤに関するさまざまなガイドは、以下からご確認いただけます。

土壌圧縮とは?

土壌圧縮は、農地の生産性に深刻な影響を及ぼす代表的な土壌劣化の1つです。近年の農業機械の大型・重量化と、厳しい天候条件の影響により、土壌圧縮のリスクはさらに高まっているといえます。

土壌圧縮は、土壌の性質や含水量、作物の種類、そして農業機械による加重など、さまざまな要因と関連があります。農業用タイヤを装着した機械が地面の同じ箇所を繰り返し走行することで、土壌内部で圧密やせん断が進み、通気性や水の浸透性、作物の根の伸長性が著しく低下してしまいます。

土壌圧縮は、収量低下や病害リスクの増加といった経済的な損失をもたらします。再度耕起や圧縮の緩和といった土壌の再生作業が必要となれば、燃料コストや作業時間も増大します。

土壌圧縮は、主要な土壌損傷プロセスの1つ

土壌圧縮は、主要な土壌損傷プロセスの1つ

soil with tire tracks

作物に影響を与える要因は、土壌圧縮だけではありません。次に紹介する「わだち形成」も、無視できない問題の1つです。

わだち形成とは?農業用タイヤと土壌圧縮の関係

わだちは、土壌の縦方向のくぼみ

わだちは、土壌の縦方向のくぼみ

picture of a rut in a field

「わだち」とは、農業機械が走行する際に車両の重さによって土壌が縦方向に押し沈み、深くえぐられるように形成されるくぼみのことです。ぬかるんだ地面では特に深刻な問題になりやすく、わだちの発生は土壌圧縮の一因にもなります。

わだちは、作物の成長に甚大な悪影響を及ぼします。くぼんだ部分では作物が育ちにくいため、収穫量の減少につながることもあります。

さらに、わだちは雨水の停滞を引き起こしやすく、根の酸素不足による生育不良や病害の発生を招くリスクを高めます。排水不良によって水が溜まると、作物の根が「窒息」状態に陥ることもあるため注意が必要です。

また、深いわだちが残った状態で作業を続けると、農業用タイヤは常に段差を越えるような状態で走行することになり、機械に余分な負荷がかかります。その結果、燃料消費量が増大し、エネルギー効率も悪化します。

このように、わだちによって土壌が損傷すると、修復作業に多くの手間と燃料が必要となり、経営コストの増大につながる恐れがあります。


関連ページ:トラクターの燃料消費を減らす方法とは? | 日本ミシュランタイヤ

土壌圧縮とわだち形成を軽減する2つの解決策

土壌圧縮とわだち形成を軽減するために、農業用タイヤは「重い荷重に耐えつつ、土壌への圧力を軽減できる」製品を選ぶことをおすすめします。

タイヤ内の空気圧は、地面に加わる圧力とほぼ同じです。たとえば、タイヤの空気圧が1bar(約100kPa)の場合、タイヤが地面に与える圧力もおおむね1kg/cm²程度となります。

つまり、タイヤの空気圧が高いほど土壌にかかる圧力も高くなり、「土壌圧縮」や「わだち形成」が発生しやすくなります。農業用タイヤがスリップを起こすと土壌の圧密の悪化につながるため、トラクション性能に優れた農業用タイヤを選ぶことが大切です。

ここでは、「土壌圧縮」と「わだち形成」のリスクを軽減するための2つの解決策をご紹介します。


関連ページ:トラクタータイヤの適正空気圧とは?

(1)解決策1:「幅広で大容量」の農業用タイヤを選ぶ

幅広で大容量の農業用タイヤは接地面積を広く確保できるため、単位面積あたりの圧力を低減できます。より優れたトラクションが得られ、土壌圧縮やわだち形成のリスクも軽減可能です。

トラクターに装着している標準タイヤを幅広または大容量タイプのタイヤに交換すれば、接地面積(フットプリント)を拡大でき、作業の効率化と土壌保護を両立できるでしょう。

幅広または大容量タイヤは圧力を下げ、より良いトラクションを提供

幅広または大容量タイヤは圧力を下げ、より良いトラクションを提供

以下は、圃場で同じ4,500kgの荷重を支える場合において、タイヤの幅によって必要な空気圧がどの程度異なるかを示すグラフです。タイヤの幅が広いほど、必要な空気圧を低く抑えられます。*

ミシュランウルトラフレックステクノロジーが採用されているタイヤは、その効果がさらに際立ちます。


関連ページ:トラクターのタイヤの荷重指数の見方

タイヤ空気圧の比較図(バール単位)

タイヤ空気圧の比較図(バール単位)

タイヤ空気圧の比較図(psi単位)

タイヤ空気圧の比較図(psi単位)

(2)解決策2:ミシュランウルトラフレックステクノロジー搭載タイヤを選ぶ

ミシュランウルトラフレックステクノロジーは、頑丈かつ革新的なケーシング(タイヤ骨格)構造を採用しており、優れた柔軟性を実現します。そのため、同技術を採用したタイヤは、作業速度を速めても低圧で重い荷重を支えることが可能です。

また、柔軟性に優れたケーシングによって接地面積(フットプリント)が拡大し、トラクション性能が向上するため、土壌圧縮を軽減できます。結果として、燃料効率の改善や作業スピードの向上につながり、農作物の収穫量アップを期待できます。

イギリス・アメリカ・ブラジルの大学で行われた研究では、ミシュランウルトラフレックステクノロジーを採用したタイヤを使用することで、農作物の収穫量を2〜6%増加させることが可能、と結論づけられています。**

ミシュランウルトラフレックステクノロジーを採用した農業用タイヤを選ぶ主なメリットは、以下のとおりです。

  • 土壌保護につながる
  • 時間と燃料を節約できる
  • 農作物の収穫量アップを期待できる


以下の動画では、ミシュランウルトラフレックステクノロジーについて詳しく紹介しています。

MICHELIN ULTRAFLEX - Protects the soil and reduces your operating costs (EN)

結論:土壌圧縮を抑える最適な農業用タイヤを選びましょう

幅広のタイヤや、ミシュランウルトラフレックステクノロジーを搭載した農業用タイヤを選ぶことで、土壌圧縮を大幅に軽減することが可能です。**

また、メリットは土壌保全だけにとどまりません。
土壌圧縮が軽減されれば、農場の再整備や耕起にかかる作業時間と燃料が削減され、トータルコストの削減につながります。

またトラクション性能が向上すれば、農業機械の推進効率が高まりエネルギー消費を抑えられるため、燃料の節約を期待できます。

優れたトラクションにより作業時間が短縮されれば、生産性の向上を見込めるだけでなく、労働負荷も軽減できるでしょう。

適切な農業用タイヤを見つけて、土壌圧縮を軽減しながら、生産性と経済性の両立を目指してください。

土壌圧縮を軽減するための適切な農業用タイヤを見つける

本ページの説明について

* MICHELIN databook 2022のタイヤ空気圧タブの推奨値に基づきます。
** 2013年から2017年にかけて英国のハーパーアダムス大学が実施した研究では、MICHELIN ULTRAFLEX技術により、農業収量が2~6%増加することが実証されています。これらの結果は、2015年に米国(イリノイ州)、2018年から2021年にブラジル(マトグロッソ州)で実施された同様の研究でも確認されています。

【関連記事】

推奨されていないブラウザをお使いの方へ

お使いのブラウザは本サイトではサポートされておらず、お使いいただくとWeb上のいくつかの機能が正しく動作をしない可能性があります。

以下のいずれかのブラウザへアップデートいただくか、もしくはインストールすることにより、本サイトは正しく表示され快適にご覧いただけます。

Firefox 78+
Edge 18+
Chrome 72+
Safari 12+
Opera 71+