採掘現場で稼働する大型ダンプトラックと掘削機

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建設機械用タイヤの選び方


建設用タイヤの性能を最大限に引き出すためには、使用用途・環境や車両に適したタイヤを選ぶことが重要です。建設機械用タイヤを選ぶ際は、用途・トレッド・TKPHを確認しましょう。

ここでは、建設機械に適したタイヤの選び方を解説します。

ステップ1:建設機械用タイヤの用途を確認する

まずは、建設機械用タイヤの用途を確認しましょう。

標準的な使用法による分類 (ISO、ETRTO、TRA、JATMA)※では、以下のように建設機械用タイヤの用途が定められています。

  • C:コンパクター

  • E:土木機械(運搬)

  • G:グレーダー

  • L:ローダーおよびブルドーザー
     

※ISO:国際標準化機構 ETRTO:欧州タイヤ及びリム技術機構 TRA:タイヤ・リム協会 JATMA:日本自動車タイヤ協会

建設機械用タイヤのコード別トレッドパターンと用途の対応表。C1はコンパクター用スムース、E1〜E7はグレーダー用、G1〜G5はローダー用、L2〜L5とL3Sなどはブルドーザー用として分類。トレッド形状にはリブ、トラクション、ロック、ディープトレッドなどがあり、コードに応じて用途が決まる。

建設機械用タイヤのコード別トレッドパターンと用途の対応表。C1はコンパクター用スムース、E1〜E7はグレーダー用、G1〜G5はローダー用、L2〜L5とL3Sなどはブルドーザー用として分類。トレッド形状にはリブ、トラクション、ロック、ディープトレッドなどがあり、コードに応じて用途が決まる。

ステップ2:建設機械用タイヤのトレッドの深さ・パターンを決める

建設機械用タイヤの用途を確認した後は、トレッドの深さやパターンを選びます。建設機械の性能を引き出すために意識しておくべき大切なポイントの1つです。
 

トレッドの深さとパターンには、次のように複数の種類があります。地形や路面の状況をはじめ、 グリップ、切り傷の危険性、急激な摩耗などを考慮して選びましょう。 

  • 1:リブ(通常のトレッドの深さ/標準溝)

  • 2:トラクション(通常のトレッドの深さ/標準溝)

  • 3:ロック(通常のトレッドの深さ/標準溝)

  • 4:ロック(深いトレッド/深溝)

  • 5:ロック(非常に深いトレッド/超深溝)

  • 7:浮力(通常のトレッド)
     

サイドウォールに、「SUPER、D1、D2」などトレッド深さを示す記載がある建設機械用タイヤもあります。主な分類は、次のとおりです。

タイヤのトレッド深さによる分類図。左から順に標準溝(N)、SUPER溝、深溝(D1)、超深溝(D2)の断面図が並び、深さが段階的に増加している。下には各溝に対応するコード例(E2、L3、G4、L5など)と、ミシュランタイヤの表記例(N、SUPER、D1=N×1.5、D2=N×2.5)が示されている。

タイヤのトレッド深さによる分類図。左から順に標準溝(N)、SUPER溝、深溝(D1)、超深溝(D2)の断面図が並び、深さが段階的に増加している。下には各溝に対応するコード例(E2、L3、G4、L5など)と、ミシュランタイヤの表記例(N、SUPER、D1=N×1.5、D2=N×2.5)が示されている。

建設機械用タイヤのサイドウォールマーキングの見方については、こちらの記事を参考にしてください。

関連ページ:サイドウォールマークキングの見方|ブルドーザー・ダンプ・グレーダータイヤなど

ステップ3:建設機械用タイヤのTKPHを確認する

建設機械用タイヤのTKPH(トンキロメートル毎時)またはTMPH(トンマイル毎時)も確認しておきましょう。

  • Ton(トン):タイヤが支える重さ(荷重)

  • Kilometer(キロメートル):移動した距離

  • Per Hour(1時間あたり):その動作を1時間続けたときの値


TKPHとは、タイヤが安全に使用できる上限の負荷量と速度の組み合わせを数値で示した指標です。「1時間あたりに、どのくらいの重さの荷物を何km運べるか」を示す値として、鉱山や建設現場など過酷な環境で使用する大型タイヤに用いられます。

同じサイズ・同じトレッドパターンのタイヤでも、使用されているゴムの種類(コンパウンド)によって、TKPHの値は異なります。

TKPHは、各タイヤサイズごとに設定された荷重の上限と、1時間あたりに走行できる距離の許容範囲をもとに算出されます。この値は、標準環境として定められた周囲温度38℃を基準にしています。

建設機械用タイヤのTKPH(TMPH)性能を、路面状態に応じたタイヤタイプ別に比較したグラフ。左軸はTKPH値、横軸は路面の滑らかさ。TYPE A4からTYPE MCまで、路面が滑らかになるにつれてTKPHが高くなることを示している。

建設機械用タイヤのTKPH(TMPH)性能を、路面状態に応じたタイヤタイプ別に比較したグラフ。左軸はTKPH値、横軸は路面の滑らかさ。TYPE A4からTYPE MCまで、路面が滑らかになるにつれてTKPHが高くなることを示している。

建設機械用タイヤのタイプ別分類表。A4、A、B4、MB4、B、MB、C4、MC4、C、MCの各タイプが、耐カット性・標準・耐熱の3カテゴリーに分類され、それぞれの特徴とTKPH(TMPH)レベルの目安が示されている。TKPHはA4が最小、MCが非常に高い。

建設機械用タイヤのタイプ別分類表。A4、A、B4、MB4、B、MB、C4、MC4、C、MCの各タイプが、耐カット性・標準・耐熱の3カテゴリーに分類され、それぞれの特徴とTKPH(TMPH)レベルの目安が示されている。TKPHはA4が最小、MCが非常に高い。

たとえば「TKPH=528」というタイヤであれば、1時間に528トン×キロメートル分の仕事に耐えられる性能を持つことを意味します。この例で「1本のタイヤが支える荷重が 44トン・走行速度が 時速12km」の場合、「44トン × 12km = 528 TKPH」となるため、許容範囲内の上限となります。

鉱山や建設現場のような高負荷・長時間運転の環境では、タイヤの内部温度が上昇します。TKPHを超えて使用した場合、過熱による損傷やタイヤ寿命の短縮、最悪の場合はバースト(破裂)につながるリスクがあるため、注意が必要です。安全のため、TKPHを超えない範囲で建設機械用タイヤを使用しましょう。

ミシュランタイヤでは、リジットダンプトラック用タイヤ「MICHELIN XDR 3」のように、製品の技術仕様欄にTKPHの数値を示しています。

ミシュランタイヤが取り扱う建設機械用タイヤは、以下ページの「ミシュラン建設・産業車両用タイヤカタログ」よりご確認いただけます。

関連ページ:法人のお客様向けミシュランタイヤの参考資料

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