施肥:バイアスタイヤとラジアルタイヤ、どちらを使うべき?

施肥用のバイアスタイヤとラジアルタイヤ

ラジアルタイヤとバイアスタイヤはどちらが施肥作業に適切?


肥料の散布作業では、「ラジアルタイヤ」と「バイアスタイヤ」のどちらを使うかによって、土壌への負担や作業効率に大きな差が生じます。とはいえ、両者の具体的な違いがよくわからない、という方も少なくありません。

本記事では、ラジアルタイヤとバイアスタイヤの特性を比較しながら、施肥に適した農業用タイヤ選びのポイントを解説します。

農業用車両のタイヤに関するさまざまなガイドは、以下からご確認いただけます。

農業タイヤによる土壌圧縮リスク

天候の影響によって、農作業の難易度が高まることがあります。土壌が湿った状態で施肥や農作業を行うと、農業用タイヤが土のすき間を押しつぶして土中の空気を排出し、深刻な土壌圧縮を招く恐れがあります。作物の根の成長や収量に悪影響を与えるリスクが高いため、土壌圧縮には注意が必要です。

このようなリスクを抑えるには、低い空気圧のタイヤで農作業を行うことが効果的です。乾燥した地面での作業であっても、低圧タイヤを使用することが推奨されています。たとえば収穫作業時は農業機械自体が重くなるため、通常よりも土壌への負荷が増加し、土壌圧縮リスクも高まります。

土壌が湿った状態での農作業は土壌圧縮リスクがさらに高まるため、特に注意が必要です。一方、適切なラジアルタイヤを装着することで、リスクを軽減することが可能です
 

関連ページ:土壌圧縮を抑えて収量アップする方法は?農業用タイヤによる解決策

ラジアルタイヤとバイアスタイヤの違い

ラジアルタイヤは、1946年にミシュランタイヤが開発したタイヤです。クラウン部(トレッド)とサイドウォール(側面部)が独立した構造となっている、革新的なタイヤとして誕生しました。

ラジアルタイヤの空気圧を下げると、側面(サイドウォール)は平らになる一方、トレッド部分は安定した形状を保ちます。その結果、タイヤの接地面積(フットプリント)が広がり、接地形状が長方形に近づくことが特徴です。

一方、従来型のバイアスタイヤはトレッドとサイドウォールがつながっている構造で、タイヤ全体が丸みを帯びたドーム型をしています。タイヤの空気圧を下げるとトレッド部分まで形が変形しやすく、接地面が楕円形となるため、ラジアルタイヤよりも接地面積が小さくなる傾向があります。

大きなフットプリントを確保できるラジアルタイヤには、次のようなメリットを期待できます。

  • 接地面積が大きいため、土壌圧縮を抑えられる

  • 荷重が広く分散されるため、平方センチメートルあたりの圧力が低下する

  • トラクション性能が向上し、燃料消費の抑制や作業効率アップにつながる

  • ゴムの分布が均一になることで衝撃吸収性が高まり、乗り心地が改善される
     

農地の保護や長時間作業の快適性が求められる農業用タイヤには、ラジアルタイヤを選ぶことをおすすめします。


関連ページ:トラクターの燃料消費を減らす方法とは? | 日本ミシュランタイヤ

ラジアルタイヤはバイアスタイヤより長持ち?

農業用タイヤの寿命を考えるうえで重要なポイントは、主に「衝撃への強さ」と「摩耗に対する耐久性」の2つです。

複数のカーカス(骨格構造)を重ねて作られているバイアスタイヤは、外部からの衝撃に比較的強いという特長があります。

しかし施肥作業時のように重たいタンクを積み、幅の狭いタイヤを使用する状況では負荷が集中しやすく、タイヤ内部の温度が急激に上昇しやすくなります。そのため、熱によるタイヤの劣化が進行するリスクが高まる点には注意が必要です。

またバイアスタイヤの接地面は楕円形に近く、局所的に過度な圧力がかかりやすいため、タイヤの摩耗が進みやすい傾向があります。

一方、1層のカーカス構造で作られているラジアルタイヤは変形が少なく放熱しやすいため、耐熱性に優れています。またタイヤの接地面積が広いため、荷重がより均等に分散されて摩耗が偏らず、バイアスタイヤに比べて長寿命を実現しやすい点が特長です。
 

施肥作業に適した農業用タイヤをお探しの場合、以下のミシュランラジアルタイヤがおすすめです。

【関連記事】

推奨されていないブラウザをお使いの方へ

お使いのブラウザは本サイトではサポートされておらず、お使いいただくとWeb上のいくつかの機能が正しく動作をしない可能性があります。

以下のいずれかのブラウザへアップデートいただくか、もしくはインストールすることにより、本サイトは正しく表示され快適にご覧いただけます。

Firefox 78+
Edge 18+
Chrome 72+
Safari 12+
Opera 71+