
トラクタータイヤのマーキング
トラクタータイヤのマーキングの読み方
農業用車両のタイヤに関するさまざまなガイドは、以下からご確認いただけます。
5分以内で分かるトラクタータイヤサイズのマーキング
まずは、トラクタータイヤのマーキングの基本ポイントを動画で確認しましょう。
ここからは、トラクタータイヤのマーキングの見方を詳しく説明します。
トラクタータイヤサイズに関するマーキングの見方
ミシュラントラクタータイヤ「MICHELIN Xeobib」を例に、タイヤのサイドウォールに表示されたマーキングの意味を解説します。
MICHELIN:メーカー名(ブランド名)が表示されています。
XeoBib:特定タイプの車両に適合することを示す製品シリーズ名が表示されています。
VF(Very High Flexion):タイヤの構造カテゴリを示しており、標準的なタイヤと比べて同じ空気圧でも約40%大きな荷重に対応可能です(2)。ミシュランタイヤでは、VFやIF規格のタイヤは「ミシュランウルトラフレックステクノロジー」に該当します。接地面を長くすることで、土壌圧縮やわだち掘れの抑制に効果を発揮します。

タイヤサイズはトラクタータイヤのマーキングの一部
「650/60 R38 155D」のタイヤを例に、タイヤサイズに関係したマーキングの意味を解説します。
650:公称断面幅(mm)。タイヤ左右のサイドウォール間の距離を示します。
60:アスペクト比(%)。「サイドウォールの高さ/公称断面幅」による比率のことで、サイドウォールの高さが断面幅に対してどれくらいかを示します。この例では「650mmの60%」であることを示しています。
R:タイヤの構造タイプです。「R」はラジアル構造のタイヤであることを意味します。バイアス構造の場合は「-(ダッシュ)」と表記されます。
38:リムの公称直径(インチ)を示しています。
155:荷重指数を示しています。タイヤが支えられる最大荷重を表す数値の目安です。荷重指数表を確認することで、荷重指数に対応する最大荷重(kg)を確認できます。
D:速度記号です。この記号により、タイヤが安全に走行できる最高速度がわかります。速度記号表を参照してください。
Radial:構造タイプの明記。ラジアル構造であることを示します。
RC(Rolling Circumference):ローリング周長(mm)。タイヤの1回転あたりの走行距離を示します。
E:タイヤ断面幅(mm)。
Tubeless:チューブレスタイヤであることを示していています。
Michelin® X®:ミシュランタイヤの商標です。
タイヤのサイドウォールに表示されるその他のマーキング
トラクタータイヤのサイドウォールには、サイズや荷重指数・速度記号以外にも、さまざまな略語や記号が表示されていることがあります。
ここでは、代表的なマーキングとその意味を紹介します。
■構造や性能に関するマーキングの見方
IF(Improved Flexion):標準タイヤと同じ空気圧で、約20%大きな荷重に対応できるように設計されたタイヤです(1) 。
VF(Very High Flexion):標準タイヤと同じ空気圧で、約40%大きな荷重に対応できるように設計されたタイヤです(2) 。
PFO(Pressure Field Operation):ETRTO*規格で、トラクターのIF/VFタイヤが低速での高荷重作業に対応できることを示します(1)(2)。ETRTO*=(欧州タイヤ・リム技術機構)
CFO(Cyclic Field Operation):繰り返し荷重がかかる作業に対応した構造で、最大1.5kmの農場内で一時的により重い荷重を支えられるように設計されています。(3) 。

Other AG tyre markings
■使用タイプ・用途に関するマーキングの見方
TL(Tubeless):タイヤにチューブが入っていない「チューブレスタイヤ」であることを示します。ミシュラン農業用タイヤは、すべてチューブレスタイヤです。
IMP(Implement):主にトレーラーや農業用作業機用に設計されたタイヤを示します。農業用・林業用トラクターの前輪操舵輪や駆動輪にも装着可能ですが、高トルクでの継続作業には適していません。
IND(Industrial):建設・産業用向けのタイヤに表示されるマーキングです。農業用タイヤと同じサイズ表記でも、荷重や空気圧性能が異なるため注意が必要です。
■規格・識別に関するマーキング
NRO(Narrow Rim Option):ETRTOによる試験的な規格で、IF/VFタイヤに通常より細いリムを組み合わせて使用できることを意味します。
CAI(International Article Code):製品を6桁の固有の番号で識別するコードです。
SRI(Speed Radius Index):タイヤの回転半径に基づき、車両の理論上の速度を算出するための指標です。異なるサイズのタイヤの互換性判断にも使用されます。
(1)ピクトグラム(案内記号)
トラクタータイヤのサイドウォールには、文字や数字のマーキングだけでなく、視覚的な記号=ピクトグラムが表示されていることがあります。タイヤの特性や機能を一目で伝えるためのマークとして、ミシュラン農業用タイヤにも採用されています。
ここでは、ミシュランタイヤのマーキングで使用しているピクトグラムを紹介します。

農業用タイヤのサイドウォールのMICHELIN Ultraflexテクノロジーのピクトグラム
MICHELIN Ultraflex
ミシュランタイヤ独自の「ウルトラフレックステクノロジー」を搭載したタイヤであることを示します。2004年に開発されたこの技術により、農業タイヤを従来よりもはるかに低い空気圧で使用することが可能です。土壌を保護しながら農作物の収量を増加させる効果が期待できます。

高けん引力ピクトグラム
High Traction(高けん引力)
タイヤが高いグリップ性能と優れたトラクション(けん引力)を発揮するように設計されていることを示します。柔らかい土壌でもしっかりと駆動力を伝えるため、スリップや作業効率の低下を防げます。
詳しくは、「トラクションを向上させる方法」に関する記事をご覧ください。

スタブルシールドピクトグラム
Stubble Shield(スタブル保護)
収穫後に残った茎(スタブル)によるタイヤの損傷を防ぐため、特殊な補強やゴム配合が施されていることを示しています。刈り株の多い農場での使用におすすめです。
詳しくは、「農業用タイヤの損傷を防ぐ対策」に関する記事をご覧ください。

最大装着空気圧ピクトグラム
Maximum Fitting Pressure(最大装着空気圧)
「走行時の最大空気圧」ではなく、「リムにタイヤを装着する際の上限空気圧」を表しています。タイヤの装着後は、作業内容や荷重に応じた正しい空気圧に調整することが大切です。
詳しくは、「トラクタータイヤの適正空気圧」に関する記事をご覧ください。
トラクタータイヤのケーシング・リムの寸法
トラクタータイヤの選定や交換時には、「ケーシング」や「リム」の知識が役立ちます。以下に、主なポイントを図解とともに整理しました。

ケーシングとリムの寸法
ケーシング
S:タイヤの断面幅(左右のサイドウォールの外側から外側までの幅)
R':静荷重時の半径(mm)「R」はラジアル、「-」はバイアス
R:無負荷時の半径
D:外径(タイヤの全体の直径)で、2 x Rに等しい
リム
Ø:リム径(インチ)
F:内幅
H:断面高さ(リムの縦方向の厚み、または側面から見た高さ)
(1) IF(High Flexion)ではないタイヤと比較
(2) VF(Very High Flexion)ではないタイヤと比較
(3) CFOではないタイヤと比較