
How can you support efficiency when ploughing?
耕起作業の効率を高めるトラクタータイヤの活用ポイント
農業用車両のタイヤに関するさまざまなガイドは、以下からご確認いただけます。
耕起作業時のトラクタータイヤのスリップ率は10%~15%が目安
耕起作業は、土壌の締め固まりを解消しながら、高いトルクを必要とする作業です。トラクターには、アタッチメントを地中に押し込む力がかかり、特に柔らかく湿った土壌では、後輪に大きな負荷が集中します。
けん引力の不足は、スリップ率の上昇を招きます。一般的に、耕起作業におけるトラクタータイヤのスリップ率は10%~15%以内に抑えることが最適とされます。
ここからは、スリップ率の適正範囲を維持するための対策をご紹介します。
大径かつ幅広のトラクタータイヤを選ぶ
トラクターによる耕起作業の効率を高めるためには、トラクターに装着可能な最大直径のタイヤを選ぶことをおすすめします。直径が大きいタイヤは接地長が長く、駆動力をよりスムーズに地面へ伝えることができ、スリップの発生を抑えながらグリップ力を高められるためです。「タイヤの直径の差によって、耕起作業における生産性が最大15%異なる」という比較試験結果もあります。
大径に加えて、幅広のトラクタータイヤを選ぶこともポイントです。タイヤの幅が広いほど、タイヤの接地面積が増えます。より多くのラグ(突起)が土にしっかり食い込み、地面に接するゴムの表面積が増えるため、パワー伝達の効率が向上し、耕起時におけるトラクターの作業効率の向上を期待できます。

Increased footprint means better power transmission and therefore greater tractor efficiency
適切な技術を備えたトラクタータイヤを選ぶ
耕起作業に適したトラクタータイヤを選ぶことも大切です。たとえばVF規格(Very High Flexion)に対応したVFタイヤは、標準タイヤよりも低い空気圧で荷重に耐えるように設計されています。この特性により、タイヤの「たわみ性」が高まり、接地面積が増えるため、けん引効率の向上につながります。
ミシュランタイヤのラインアップでは、ミシュランウルトラフレックステクノロジー(VF規格)を搭載したトラクタータイヤがおすすめです。接地面積が広く、パワーが効率よく伝達されるため、耕起作業に役立つでしょう。

MICHELIN EVOBIB: VF tyre
トラクタータイヤを適切な空気圧に調整する
耕起時にトラクタータイヤのけん引力を最大限に引き出すためには、タイヤ空気圧の調整が欠かせません。
タイヤは、特定の荷重と速度に応じた空気圧で最も高い性能を発揮するように設計されています。そのため、作業時の実際の荷重と走行速度に合わせて空気圧を適切に調整することが重要です。
ミシュランタイヤが提供する無料ツール「MICHELIN AGROPRESSURE(ミシュラン アグロプレッシャー)」は、トラクターとアタッチメントの組み合わせに応じた最適な空気圧の確認に役立ちます。
空気圧を適切に設定しても耕起時に十分なけん引力が得られない場合は、トラクター本体の重量とアタッチメントの重さのバランスに問題があるかもしれません。軽量トラクターに対して重いアタッチメントを使用している場合、地面をグリップして必要なパワーを伝達することが難しくなるケースがあります。
このようなケースでは、バラスト(錘)を追加してトラクターの荷重配分を見直してみましょう。
関連ページ:トラクタータイヤの適正空気圧とは?
バラスト(錘)で重量バランスを整える
耕起時のけん引効率を改善する方法の1つが、トラクターにバラスト(錘)を装着することです。
一般的なのは、後部装着のアタッチメントに対してトラクターのバランスを取るために、前部に重りを追加する方法です。後部のアタッチメントが重い場合、前部に重りを加えることでバランスを取りやすくなります。
高出力トラクターでは、ホイールウェイトを使用するケースが増えています。ただし、タイヤにかかる荷重が増えるため、空気圧の再調整が必要です。
タイヤ内部に直接水を注入する方法もあります。コストを抑えてバラスト効果を得たい場合に有効で、空気圧の変更が必要ない点もメリットです。ただし、タイヤ内部に空気が残るため、定期的な空気圧チェックが推奨されます。また、冬期や寒冷地では、凍結防止のために不凍液を加えることを検討しましょう。
トラクターへのバラスト装着は、1馬力あたりおよそ50kgを基準とすることが推奨されます。ただし、けん引の条件によって調整が必要な場合があります。

Ballasting tyre with water
関連ページ:トラクタータイヤのバラスト調整で機動性をサポート
ダブルタイヤ(ツインタイヤ)を装着する
トラクタータイヤをツイニング(同一車軸に2本のタイヤを装着)することは、トラクターの耕起作業の効率を高める効果的な手段の1つです。
ツイニングを行うことで、タイヤの接地面積が2倍になり、けん引力が向上します。接地ラグが増えることで地面を捉える力が高まり、トラクターのパワーを無駄なく伝達できるようになるためです。
また、接地面が広がることで車重が地面に均等に分散されるため、土壌の締め固まりを抑える効果も期待できます。